JAPAN lacrosse ナニモノにもなれる4年間

全国の舞台に立った元プレイヤーが作る
新時代のスタッフ像

ラクロス界に起こる新しい波 - マーケティング

 

ラクロス界では珍しい「マーケティングチーム」を組織化した法政大学の船見かなゑさん。

高校時代には選手として全国に進出した経験をもちながらも、大学では選手とは異なる関わり方でチームに貢献している彼女に、過去の葛藤や今後の夢を語ってもらった。

(2021年5月25日)

プロフィール


船見かなゑ(ふなみ かなゑ)(写真左)

法政大学男子ラクロス部新4年生。高校在学時に、競技チアで全国2位の成績を残す。法政大学入学後ラクロス部に入部。2年時にはオーストラリアへ留学し、帰国後マーケティングチームを創設。全大学合同新歓活動やECサイトの設立など、マーケティングの力を活かし新たな取り組みに挑戦中。

 

あの時の感動をもう一度


船見さんは高校の時には競技チア部に所属していたんですよね。

中高一貫校で、高校2年生まで続けていました。初めて見たチアダンスの虜になりました。何十人ものメンバーが、一糸乱れずに激しいダンスを披露する場面に感動したんですよね。

 

高校生の時には全国の舞台を経験されたとか。

種目ごとに全国大会があるのですが、高校1年生の時には全国で2位、2年生の時には3位になりました。全国の仲間たちと踊る機会もあったりして、高いレベルの舞台で勝負する機会に恵まれました。

もちろん、結果を出すためにも練習はかなり厳しくて、引退まで本気で取り組みました。自分がダンスをすること自体も楽しいですが、チームメイトとともに、1つのストーリーを組み立てて表現する、ミュージカルのようなところが好きでした。

 

そこまで競技チアに熱中していて、大学ではなぜラクロス部のマネージャーに?

中高時代の「本気でやる」という気質が抜けてなかったんですよね。ダンスをすることは好きなのでダンス系のサークルも考えましたが、踊っているとやっぱり結果を求めてしまう自分がいて。結果ではなく「楽しく踊る」というプロセスに重きを置いているサークルが多かったので、本気で結果を求めている部活を探しました。ただ、「結果を出す」という観点では、競技チアは中高時代でやり切ったという感覚があったんですよね。

そこで出会ったのが男子ラクロス部で。新歓で出会った先輩方との出会いもあり、「選手としてはやり切った自信がある。大学ではサポーターとして勝利に挑戦しよう」と決心しました。

こんなにマネージャーがチームの中心にいるスポーツってない


マネージャーとして活動してみて、選手時代との違いはありましたか?

やっぱり自分がフィールドに立つか立たないかの違いは大きかったです。ただ、最初はとまどいもあったんですが、マネージャーならではのやりがいもどんどん見つかりました。たとえば他大学との渉外活動。私のチームでは、新人戦の渉外は1年生が担当します。試合の組み方からタイムマネジメント、ルールの設定などあらゆることを他大学の渉外担当と話し合って決める必要があり、1年生という早い時期から責任ある役割を担うことができました。難しいし、責任も大きいので当時はてんてこまいでしたが、「わたしがいるからチームが活動できているんだ」と具体的なやりがいを感じられました。

マネージャーが果たす役割は無数にありますよね。

普段の試合や練習でもやりがいを実感できる機会はたくさんあって。試合で審判をすることが多いですが、私の審判能力が上がれば上がるほど試合のクオリティもあがります。逆もまた然りで、ファールを見つけられなかった時とかはそれで試合の流れが変わっていたかもしれないので、ものすごく反省して同じ失敗はしないようにします。

 

普段の練習もタイムマネジメントから練習場所の確保まで、マネージャーが責任を持って活動しています。こんなにマネージャーがチームの中心となって活動しているスポーツって他にあるのかなってたまに思います。最初のうちは失敗も多いですが、教えてくれる先輩もいるし、再チャレンジの場として次の日の練習があります。責任を感じつつPDCAを早く回せる環境があるので、毎日成長を感じられていました。

 

自分が第一のファンになる マーケティングチームの組成


マーケティングチームを作ったきっかけは?

私は2年生の時にオーストラリアに留学したんですが、そのシーズンに私のチームが2部に降格して、ものすごくショックを受けました。チームが降格してしまったことにはもちろん、離れた場所にいて自分はなにもできなかったなと。

 

当時のチームは、練習試合や公式戦でも負けることが多くて、負け慣れてしまっているような感覚がありました。士気が低いというか。でも、応援席にたくさんお客さんがいる試合だとなぜか勝てる(笑)。それで考えたのが、外側からチームの士気をあげようってことでした。

もともとマーケティングのノウハウはあったんですか?

まったくです。留学から帰国後してマーケティングチームを作った時、初めてMacにもともと入っている編集ソフトを開いたくらいです。完全に素人でした。

スキルだけでなくマーケティングの知見もなかったのですが、当時(2020年3月)新歓活動が始まっていたので、実際に活動しながらノウハウを身につけていこうと思い、いろいろとチャレンジしてみました。

法政大学のクリエイティブを見ているかぎりだと経験が1年とは思えないです!

ありがとうございます!マーケティングスタッフとしての活動は一見華やかに見えますが、地味で泥臭い事ばかりでした。現在は、共にマーケティングチームを創り上げた同期1人の他に、後輩も5人になりました。

私が教えるという立場ではありますが、教える過程で新しい学びもたくさんあります。メンバーは年次関係なく、皆がそれぞれのセンスや気付きを齎してくれるので、これからも学年や経験年数に関係なく学び合い、成長していけると思います!

 

最後に、マーケティングチームの目標を教えてください。

「ファンを作ること」を目標にしています。そのために、まず私自身が第一のファンになって、自分を起点にOB・OG、保護者、新入生とファンを増やし、彼等と共にチームを勝利へと導きたいです。

 

成果にこだわることもテーマにしています。マーケティングチームは、新しい取り組みということもあって活動内容や成果が見えにくいんですね。成果が出ていなくても誰も気づかなかったりする。だからこそ、チームのためになり得る事は全てやって勝因になろうという気持ちで取り組んでいます。新歓活動やECサイトの設立、グッズの作成や広報活動など、チームのためになるのなら未経験だろうが挑戦してみて、今まで出来なかった事が出来て当たり前になっていく。そうやって新しいマーケティングスタッフを創り上げていく事が、私たちの使命だと思っています。

今は自分のチームだけでなく、他大学からもマーケティングに関心を持ってもらっていて、マーケティングの和がどんどん広がっています。ラクロスって挑戦に寛容なコミュニティなんですね。挑戦することを止める人は全くいないし、支えてくれる人がどんどん増える。これからもマーケティングの和を広げつつ、チームの勝利のために全力で活動していこうと思います。

 


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