JAPAN lacrosse 君の人生に、限界はない

ラクロスがたった1人の私をみんなと繋げてくれた

孤独な環境でも、孤独じゃない

本記事では、九州産業大学の女子ラクロス同好会として、1人になっても最後までラクロスをやり抜くことを選んだ山賀さんにお話を伺った。

なぜ困難な状況の中でも大学の4年間をラクロスに捧げることを選んだのか、そしてこの経験から彼女は何を得たのだろうか。

(2022年3月28日)

プロフィール


山賀 日菜子 (やまが ひなこ)  (写真真ん中、左下、赤ビブス)

九州産業大学ラクロス同好会4年(2021年時点)。女子ラクロス同好会として、1人になっても最後までラクロスをやり抜いた。

 

ラクロスとの出会い


大学でなぜラクロスを始めようと思いましたか?

実は当時の九産大にはそもそも女子の運動部があまりありませんでした。その少ない選択肢の中で特に初心者でも始めやすかったのがラクロスだったという、割と平凡な理由だったと思います。ラクロス部の4年生に同じ高校出身の方がいて、その方に誘っていただいたことも後押しとなり入部を決意しました。

 

ひなこさんが感じたラクロスの魅力とは何でしょうか?

1年生の最初のころは、周りの人と違うスポーツという特別感と、みんなスタートが同じで高め合えるという2点が魅力的だと感じていました。

しかし、実際に活動を通して、周りにやっている人が少ないスポーツだからこそ同じラクロスを通じて知り合った他大学の友人や同期とのつながりを強く感じられるところも魅力だと気付きました。また、ラクロスはみんなが今までやってこなかったスポーツなので、やることすべてが新しいことで、チャレンジ精神が培える環境だと思います。

例えば、自分から連絡を取って他大学のチームの練習に参加させてもらう武者修行(個人で大学や社会人のチームに連絡を取り、チームの練習に一日参加することのできる文化)の経験なんかはラクロス特有の文化だと思います。

 

1人になってしまったラクロス同好会


入部当時から現在までの状況を教えてください。

入部当時は、4年生が2人、2年生が1人、そして同期が8人いました。

4年生が引退したすぐ後に、チームのこれからのことを話し合う中で私と同期の他の子たちとのラクロスに対する想いが違うことに気づきました。私は引退した4年生と同じくリーグ戦で勝ちたいという想いが強いのに対し、他の同期の子たちは大学内の活動で収まる形でいいと考えていたようです。

他大学と練習試合をした時に他大学の選手の強気な部分に触れて、私以外の同期は「そこまでして勝ちたいと思っているわけではない」と言い、みんな辞めてしまいました。2年の先輩と私だけになってしまったこともあり、先輩もだんだんとフェードアウトしてしまい、ついに1人になってしまいました。

 

1人になってしまってもチームを存続させラクロスをやり続けたのはどうしてですか?

同好会を作るには様々な条件が必要だそうです。同好会を作るまでが大変だったことを聞いていたので、先輩たちの作ったチームの歴史や居場所を守りたいという責任感はありました。

ラクロスをやることは、部に所属していなくても社会人チームなどで確かにできることかもしれません。しかし、部を存続させるということは1人になってしまった私にしかできないことだと思っていました。「九州産業大学」としてリーグ戦に出てみたいという想いもありました。

 

山賀さんにとって苦しい時、大変な時にモチベーションはどこから湧いてくるものだったのでしょうか?

人とのつながりだと思います。

他大学の友人に連絡を取って練習に参加させてもらうことがよくあったのですが、そんな時に他大学の方々がチームメイトのように受け入れて声をかけてくれることが多く、本当にうれしく感じていました。なので、そういう人たちに自分が最後まで頑張っている姿を見せたいと思っていました。

また、九産大の男子ラクロスチームの人とも一緒に練習をしたり、新歓でお互いに助け合ったりしたことも私の助けになって困難も乗り越えることができました。さらに、私の中で「九州産業大学のラクロス同好会として4年間続ける」という目標をずっと持っていて、最後までやり抜くことは自分の人生の誇りになると信じていたことも頑張るモチベーションになっていたと思います。

 

お話を伺う中で山賀さんはとても行動力のある方だなという印象を受けました。その行動力は以前から持っていたものなのでしょうか。

もともと新しいことをやることに抵抗のある人間ではありませんでした。

しかし、行動量はラクロスに出会って圧倒的に増えたと思います。ラクロスという環境は自分たちでチームを動かしたり自分で行動を起こしたりしなければ何も始まらない、すべて自分たちの手で動かしていく環境だと実感したことがありました。

そのため1年生の終わりくらいには練習をしている大学を見つけたら連絡してみようというように、考えすぎず行動することを意識していました。

 

ラクロスを楽しみ、そしてとにかく行動に移す


これまでラクロスをやってきた中で身についた力はなんでしょうか。

やはり、考えすぎず行動していく力は身についたと思います。

「ここの大学練習している。行くか。」くらいの気持ちで行動していました。他大のオンラインミーティングに参加させてもらった時もありました。(笑)

やはり、外の世界に飛び出て初めて知れることもあるのでこの力が身についたことは良かったなと実感しています。

 

大学のラクロス部の人数が少なくて入ろうか悩んでいる人や、ラクロスがやりたいけどラクロス部がないといった人へメッセージをお願いします。

練習がきついとか人数が少ないとか、大学によってそれぞれ大変なことあると思います。でも、まずは自分がラクロスを楽しむことが一番大切なことだと思います。

まずは、自分とラクロスの楽しいことをたくさん結び付けて楽しいラクロス生活を送っていただけたら嬉しいです!

 

学校や性別、年齢等の枠組みを大きく超えて人とのつながりを広げていけることがラクロスの魅力の1つということがよくわかりました。自分の大学のラクロス部は人数が少ないという方や、ラクロス気になるけどラクロス部がないという方もいらっしゃるかもしれません。

しかしラクロスは自分の大学の中のみでなくどこまでも人とのつながりを広げていくことができるスポーツです。

ラクロスというスポーツを通してあなたも全国のラクロッサーとのつながりを感じてみませんか?

 


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